FAQ よくある質問

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Q

カウンセリングとは、何ですか?

現代の心理学では主に、カール・ロジャーズ(1902~1987)が提唱した、カウンセラーがクライエントの語る言葉を傾聴して受けとめる、「来談者中心療法」の面談をさします。

カウンセラーの傾聴により、受容されたクライエントが、自分自身で自分が話した内容を整理し、自身の気持ちに気づき、自己一致のプロセスを経ながら、問題解決への道を自分自身で導き出すためのサポートをする形式を指します。

心理学をバックグラウンドにもつ面談の、よく知られた基本形といえるでしょう。

Q

精神分析とは、何ですか?

「精神分析」の祖であるフロイト(1856~1939)が、ウィーンで『夢判断』を刊行したのは1900年。それ以前からフロイトは、ヒステリーの研究を契機に「無意識」を発見していました。

当時、ヒステリーは「麻痺などの身体症状」を意味していました。患者の「無意識・深層心理」に抑圧された「感情の葛藤」が、「身体症状」としての「ヒステリー(神経症)」を引き起こすことをフロイトは発見したのです。

日本でよく知られるユング(1875~1961)やアドラー(1870~1937)はフロイトの弟子からスタートし、フロイトの「精神分析」を各々の「独自の視点」で発展させました。

ユングはフロイトの抑圧されたリビドーや家族からの関係よりも、世界神話と夢の中のシンボルの関係などの視野を発展させた。アニマ(男性が持つ女性性)・アニムス(女性が持つ男性性)、影=シャドウ(意識的な自己から見て無自覚的な逆側の要素。これはゲシュタルト療法の「図と地」の関係にも似ている)などをキーワードとします。

そのような流れの中から、エディプスコンプレックスや集合無意識などの理論にとらわれず、人間を実存的に見て行く立場の分析が、現存在分析としてビンスワンガー(1881~1996)によって始まり、夢の分析でも知られるメダルト・ボス(1903~1990)も有名でした。

「まどか研究所」の土台であるゲシュタルト療法を創始したフレデリック・パールズ(18931970)と、メダルト・ボスは、同じくウィリアム・ライヒ(1897~1957)に教育分析(分析医になるための自己教育としての分析)を受けました。パールズは戦後のアメリカで、新しく心理療法として、ゲシュタルと療法を創始・発展させたのでした。

なおドイツからユング心理学を持ち帰った河合隼雄は、スイスのドラ・カルフが始めた「箱庭療法」も日本に持ち帰りました。ユング心理学が、人間理解を広範にした感はあるものの、療法の効果としてクライアントの変容をどこまで細密かつ発展的に担えるのかは測量しにくい面も否めないのに対して、「箱庭療法」は子供のセッションで「核の中の深い感情」が表出されて好転する例などでも知られました。

アドラーは、早期(1911年)にフロイトから決別。最近は「嫌われる勇気」をキーワードに知られますが、それは特に日本人が苦手なことを指摘しているからではないでしょうか。「アドラー心理学」の神髄は、上司と部下、教師と生徒、親と子供などの、各々相互の「ポジション(役割)と関係性」に対して幅広く応用可能です。

追従する、浮かないように合わせる、好かれることよりも、各々の役割において必要なことを発信して交流することが、その関係性を有意義で生産的なものにするからです。

なおユダヤ人だったフロイトは、第二次世界大戦の最中にはナチスが始めたホロコーストから逃れるために、ロンドンに移住しました。

戦後も「精神分析」の流れはさまざまに継続されましたが、戦後に発展した「心理療法」の立場からは、やはり戦前のベルリン周辺で始まった「身体アウェアネス」などの視点を融合した療法が、アメリカを中心に発展を見たように思われます。

戦後になって、それまでの「精神分析の流れ(新フロイト派、自我心理学、フロイトの娘のアンナ・フロイト)」に対して一石を投じたのが、フランスのラカン(1901~1981)でした。「フロイトに帰れ」をスローガンに、パリ・フロイト派を形成。

同じくポストモダンとも言われたフランス現代思想のドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』なども、フランス現代思想の根本が言語論をベースに発展したこともあり、そこで述べられるフロイト論にはリビドーの領域が、身体論には身体そのものについての考察が欠如しているように感じられます。心身及び特に身体は、言語の領域からはみ出す「人間そのもの」に関する領域であるためではないでしょうか。

Q

ゲシュタルト療法とは、何ですか?

「ゲシュタルト療法」は、ユダヤ系ドイツ人だったフレデリック・パールズ(1893~1970)が、第二次世界大戦前からナチスによって始まったホロコーストから逃れ、妻のローラとニューヨークに移住後、ポール・グッドマンを含めた3人で形成しました。「ゲシュタルト」とは、ドイツ語で「(認識の)形態」の意味です。

演劇を好んだパールズは、フロイトよりも、さらに「無意識(深層心理)と身体のつながり」を重視しました。もともとパールズは「精神分析医」でしたが、パールズやローラの青年期のベルリンでは、ドイツ表現主義演劇・舞踊、およびギンドラーによる身体アウェアネスの時代が始まっており、身体への広範な関心ゆえに、すでにドイツ時代からフロイトとは距離をとるようになっていました。

ドイツを脱出後、オランダを経て、南アフリカ共和国で過ごした10年の後、戦後に渡米してからは、「精神分析」から脱却し、新しい流れである「心理療法」として新たに出発することになりました。

理論的には、「3領域(内面・中間領域・外部)」に対する「気づき」、および「5つの抵抗システム(投影・取り込み=鵜呑み・反転行為・融合・自己中心主義)」への「気づき」と、「統合」を重視し、クライエントの自己解放と、回復・発展としての変容を助けます。

パールズらが目指したのは、何年もの歳月と、多額な費用が必要だった「精神分析」をより一般化するための工夫でもありました。グループワークも、そのような考えの下に生みだされました。

ゲシュタルト療法は、「精神分析」の〈情動〉に触れる部分を確実に残しながらも、20世紀初頭のドイツで生まれた「気づきのワーク(アウェアネス)」を始め、モレノの「サイコ・ドラマ」、「対話・絵画・夢・イメージ療法」など、さまざまな手法を融合しています。

またゲシュタルト療法は、「認知行動療法」や「マインドフルネス」「現代催眠(NLP)」との共通部分も少なくありません。というよりも、それらとほぼ同様のものを入口に、さらに核心部分である感情の抑圧や、深い感情を伴う「認知」の歪みや捩(ね)じれの根本部分に迫ります。だから後もどりがありません。

そして五感を解放して「今ここを」生きるという「マインドフルネス」の要は、仏教から得た影響です。ゲシュタルト療法は戦後のアメリカで発展したために、それらを特にポストモダン期以降に注目された「禅」からの影響として得ています。

あるいは「現代催眠(NLP)」は、パールズの最後の著作(『ゲシュタルト療法』)の編集者だったリチャード・バンドラーが、創始した療法なのです。その後、共同創始者だったジョン・グリンダーが、一人で継続することになりました。NLPでよく言われるフレ―ムの変容とは、認知の形態であるゲシュタルトの変容です。

いずれにせよ、ここで書いている「深い感情」とは、人にぶつけたり爆発させるために必要なのではありません。そうではなく、あなたの人間関係や人生・仕事および健康状態を豊かで実りあるものにするためのセンサーとして、あなたのコントロールの下に親密な味方として用いることが重要なのです。

そのように「深い感情」と親密になるためには、感情を扱わなくするのではなく、核心となるトラウマや防衛機能を発掘して解放し、真に癒されることが必要なのです。

Q

心理療法(サイコ・セラピー)とは、何ですか?

「心理療法」は、第二次世界大戦後に欧米で発展しました。「感情の抑圧や爆発」「コンプレックス」「トラウマ」「自他との関係性」「感受性」などを緩和・回復させ、自分を「いきいきと生きる」ための自己実現の道を開きます。

「精神分析」の系譜を引く「心理療法」には、「ゲシュタルト療法」の他に、ライヒの弟子のアレキサンダー・ローエン(医師・心理療法家)が始めた「バイオ・エナジェティック」、モレノの「サイコ・ドラマ」などがあります。
 
 これらはゲシュタルト療法のところで書いた「核の中の深い感情」を解放して整理することにより、感情をを「いきいきと生きる」ためのセンサーとして用いながら、コントロールできるようになる心理療法の根源的な王道部分を含んでいます。

「ブレス・インテグレーション」も、呼吸法&対話で、幼年期からの「抑圧、コンプレックス、トラウマ」と、その後の関係を重視し解放するものですが、上記の心理療法の王道部分を引き受けた療法です。

その他、ゲシュタルト療法との関係の所で述べた「認知行動療法」「マインドフルネス」「現代催眠(NLP)」の他、「家族療法」「アートセラピー」「プロセス指向ワーク(POP)」なども、知られています。

バージニア・サティア(1916~1988)が始めた「家族療法」は、主に家族全体に面接をしながら進めてゆくもので、主にクライアントが家族関係の中で受けている影響を目のあたりにしながら扱うことができます。ただし家族に参加の協力を得るのは簡単なことではありません。

「アートセラピー」は、来談者中心療法のカール・ロジャーズの娘のナタリー・ロジャーズ(1928~2015)


「カウンセリング」と「心理療法」の違いを大まかに述べれば、人間をコンピューターにたとえた場合、ソフトの部分を中心に扱うのが「カウンセリング」、ハードの部分の緊張や抑圧を解放してゆくのが「心理療法」と言うことができるでしょう。

Q

心理療法とアート(クリエイション)の関係は?

『まどか研究所』のセラピーは、マイナスを0に戻すのではなく、「自己探求(クリエイション)」の「方法とプロセス」を耕す作業です。

たとえば統合失調症などでも、快癒してゆく際には、人柄やキャラクターなどに変化・変容が見られるとも言われます。

他の場合にも、症状(問題)と回復(解決)の間には、「探求・成長・変容・発展」などの視点が、不可欠であることが少なくありません。

また「クリエイション」と「セラピー」の関係に直接に触れるエピソードとして、ジョン・レノンの楽曲『マザー』の作詞と歌唱法は、レノンがアーサー・ヤノフの「原初療法」の体験を経て、生み出したものであることが知られています。

そして、同じくレノンの楽曲『Beautiful boy』には、フランスの「自己暗示療法」のエミール・クーエの言葉が使われ、『イマジン』には、イメージ療法のスタイルと、癒やしの言葉が散在していることが伺われます。

また「ゲシュタルト療法」の創始者パールズの妻ローラは、「セラピーはアートである」という言葉を残しました。

「まどか研究所」のセラピーは、あなたの人生の〈曲がり角〉や〈大事な時期〉をサポートすると共に、〈アートの作風・テーマ・技術〉の行き詰まりやマンネリズムにも突破口を見出し、人々の生活や社会にも、〈感受性の豊かさ〉と〈解放と癒しのエネルギー〉が満ち溢れることを願っています。