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【重要アーカイブ】③原田広美*心理療法家になったわけ*修行時代の思い出*私が泣く時*神田沙也加さんの死と、松田聖子を想う

私が泣く時—昨日はスケートを見ましたか?




—私が泣く時
あなたは最近、いつ泣きましたか?


子供の頃、母親に伝えたい私の最も大切な気持ちを「言うな」と叱りつけつけられ、

⎯泣きじゃくる過呼吸の中で、

そのように口ごたえしようとするから「あなたは悪い子供なのだ」と、根源の自尊心を砕かれて育ちました。

そのうち、私は自分の最も大切な気持ちを外でもなかなか言えない子供・大人になりました。

母は、悪人ではないのですが、私との相性が悪かったのですね。どう相性が悪くて自分が抑圧され、萎縮したのか、孤独になったのか、などについて、セラピーをいろいろ学ぶ中で理解することができました。
(いまは母ともいいのですが)

自分の救い方も、ですね。
泣く話に戻ると、
三才で祖父が亡くなった時、その後、祖母が亡くなった時も、棺の蓋を打ち付ける音が、とても悲しかった。

時が経ち、91年に始めた「まどか研究所」が、数年の後、オウム真理教事件の風評的被害で出現した〈一般人の心理離れ・その手のワークショップ離れ〉の中で、

それまで通りにはできなくなり、もう一度、元の仕事に戻ろうかと考えた。
それを「決意しよう」とした夜、悲しくて一晩中、思いがけなく、私は涙がとまりませんでした。

それで、朝になって〈逆の決意〉をしました。舞踏や舞踊の評論家になろうと思いました。それまでの心身の学びを生かして、と。

久しぶりに会いに行った母校の種村季弘先生も、知らずにいたのに、舞踏のカリスマだった土方巽のブレーンだったと知り、

高校教師時代には、土方についての話を聴いたり、大野一雄のスタジオや、田中泯の農場にも訪れていたので。

私にとって、高校教師を辞めることは一大決心でした。

ですから、そこから歩み始めた〈別の道〉から~元の所に引き戻ってしまっては~自分という存在の核が、崩壊してしまうと感じたのです。

夢見も、引き戻らないことを助けてくれました。

そして、夏に書いて応募しておいた舞踏家・石井満隆についての小文が、年末になると、「日本ダンス評論賞」に選んでいただけた、という幸運も後からついて来ました。

その後『舞踏大全』、欧州でのレクチャーやダンスの取材、『国際コンテンポラリー・ダンス』そして『漱石の〈夢とトラウマ〉』。

ただひたすらに走って来た気がするのですが、いつからか、前のようにはあまり泣かなくなったように思います。

悲しい場面でも、悲しさを深く感じつつも、案外自分が落ち着いているようになりました。

⎯最近☀私が泣くとすると、とにかく〈感動した時〉なんです。今日は、三浦瑠未と木原龍一のアイスダンスを見て、思わず涙が込み上げて来ましたね。

初めて見たペアですが、アナウンサーのナレーションと、二人の素晴らしい演技の〈かけ算〉で、私は心を揺さぶられたようです。

木原選手は、もう競技を辞めようと思い詰めた時に、三浦瑠未に出会うことができた。やってみたら、初めからすぐに、スケートの相性が抜群にいいと分かった。

『ハレルヤ』の曲の中での〈トリプルツイスト〉、今日の最初の大技は、二人が初めて一緒に滑ってペアを組む〈決意〉をした時の技なのだそうです。

いま番組の最後に、二人の演技シーンが再放送されていますが、私は、やはり胸が熱くなり、太ももに鳥肌が立ちます。

オリンピックでの〈自己ベスト更新〉は、後から結果としてついて来たプレゼントなのでしょうね。ベストを尽くした演技ができて、本当に「よかったなぁ」と思います。

⎯夢を失わないことは素晴らしいこと。



※今日も、何やかやとスケジュールの詰まった一日 ですが、おやつ休みに着けたテレビの前で。

◇関連投稿:私が、心理療法家になった理由(わけ)→https://bit.ly/3soaEDM
◇私・原田広美の修業時代の思い出から→https://bit.ly/3GvHG



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